先月、IE9のサポートが終了するのでIEのバージョン/シェア/サポートについてまとめてみた。の記事でスマホについて書けなかったので、今回はWeb制作でのAndroidのバージョン/ブラウザのサポートについて書いていきます。

結構ややこしい内容になりますが、ぜひ読んでみてください。

Androidのバージョン/ブラウザ/サポートについて

現在Androidには以下のバージョンがあります。

Androidのバージョン一覧画像

なんとコードネームがアルファベット順でお菓子の名前となってます!
ブランド名の使用許可もしっかり取っているようです。
次期バージョンのAndroid 8もまだ正式には決まっていないですが、OREOになる可能性があるそうです。

oreoの画像

結構いろいろありますが、Web制作で注目しておきたいバージョンは、Android 4.3(Jelly Bean)、Android 4.4(KitKat)、Android 5.0(Lollipop)です。

なぜかというと大きくは以下の3つです。
・Android 4.3以前の標準ブラウザはcss3/JavaScript APIに全然対応していない
・Android 4.3以前は標準ブラウザに、セキュリティ上の脆弱性がある
・Android 4.4の標準ブラウザでもAndroid 5.0以降のものと微妙に仕様が違う
一個ずつ説明していきます。

Android 4.3以前の標準ブラウザは、css3/JavaScript APIに全然対応していない

これがWeb制作では結構厄介です。
ブリッジコーポレーションではIE9を対応外にすることにした(前回の記事)のですが、css3を使える!と思ってゴリゴリコーディングしていくと、Android 4.3以前の標準ブラウザで全然css3がサポートされてないのでめちゃくちゃ崩れてるやん!といったことが起きます。
以下のサイトの一覧表を見れば一目瞭然です…
※左がAndroid 4.2-4.3 browser、右がAndroid 4.4 browserの比較です。

Android 4.2-4.3 browserとAndroid 4.4 browserの比較表

詳しくはこちら:Can I use…

Android 4.3以前は標準ブラウザに、セキュリティ上の脆弱性がある

Googleは既に、Android 4.3以前のWebView(標準ブラウザ)のサポートを打ち切っています。

WebViewとはアプリ内でオンラインコンテンツを表示するために使われる機能です。
Android 4.3以前の標準ブラウザではWebKitベースのWebView(WebKit WebView)
Android 4.4以降の標準ブラウザではChromeベースのWebView(Chrome WebView)
が搭載されています。

つまり、Android 4.3以前の標準ブラウザで何があってもGoogleはサポートはしないようです。
(オープンに開発が行われているそうなので、メーカーや他の誰かがセキュリティパッチを作ることはあるそうですが、期待はできません)

勘違いしやすいと思いますが、Android OSのサポート打ち切りではないので、古いAndroid OSでもChromeを使用すればセキュリティ上の問題は軽減されると思います。

参考:Google、Android 4.3以下には「WebView」のセキュリティパッチ提供を打ち切りか

Android 4.4の標準ブラウザでもAndroid 5.0以降のものと微妙に仕様が違う

Android 4.4なら安心かと思いきや、実は仕様が微妙に異なるものがあります。
以下の一覧を見てみると、以外に対応できてないものがあります。
※左がAndroid 4.4 browser、右がAndroid 4.5 browserの比較です。

Android 4.4 browserとAndroid 4.5 browserの比較表

詳しくはこちら:Can I use…

すごいニッチなcssなので気にしなくても大丈夫なのですが、それ以外にもアップデートがOSに依存しているのも気になります。
Android 5.0からはWebView単体でアップデートされるので不具合などの修正の対応が早いのですが、Android 4.4ではOSのアップデートまで待たなくてはいけないです。

参考:Google、AndroidのWebViewコンポーネントをAndroid 5.0(Lollipop)でOSから切り離す、Google Playストア経由でアップデートを提供へ

 

以上を踏まえると、Android4.3以前は、表示・動作保証の対象外にすべき、4.4も対象外にしておくと安心できる!と思います。
次に、本当に対象外にしても大丈夫なのか判断するためにシェアについて調べてみます。

対象外にしても大丈夫なのか判断するためにシェアを見てみた

一番上に掲載したバージョン一覧画像の右列がシェアの数値となります。(2017/04/21時点)
小数第二で四捨五入、計測されていないなどで大体の数値となっていますので詳細はスマタブにて確認してください。

まずAndroid4.3以前のシェアを見てみると5%。
この5%の中で、さらに標準ブラウザを使用しているユーザーに絞るとその割合は更に少ないと思います。
そしてセキュリティ上の問題もあるため、対象外にする検討をしてもいいかと思います。
なのでAndroid4.3以前は対象外にしてしまって大丈夫だと判断します。

そしてAndroid4.4は10%で一定数のシェアがあり、引き続き対応する必要があると思います。

4.3以前についてはChromeであればうまく表示されると思うので、以下のサイトを参考にしてChromeを推奨するアナウンスを表示するなどの対応をしてもいいかも知れません。

参考:滅び行くAndroid 標準ブラウザをサポート外にして悩みの種をなくす話

 

前回のIE9のサポートが終了するのでIEのバージョン/シェア/サポートについてまとめてみた。の記事もよかったら見てください。

※数値はすべて2017年4月21日のものになります。

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